バラン Balun <その2> 4:1ununの作成
『バランBalun<その2>4:1ununの作成』(この記事)
『バランBalun<その1>9:1ununの作成』(記事はここ)
『バランBalun<その3>4:1平衡バランの作成』(記事はここ)も掲載しました。よろしければご連ください。
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4:1unun 試作No.4のバラン |
数か月にわたって試作を繰り返し、その経験から、巻き数や巻き方、配線など、バラン作成にはちょっとしたコツがあると感じました。9:1unun作成と同様ですが再掲します。
【ununバランの作成のコツ】
▶配線を最短にする
・巻き方はW1JRよりバイファイラのほうが数㎝短くできる
・特に入力側の同軸コネクターとコア間は最短にする
▶線は平衡/密着
・平衡のほうが、より線状にするより数cm短くできる
・平衡のほうが、各々の線がコアに平均して密着する
・2本または3本の組合せる巻き線どうしは平衡にして密着させる
▶巻き数は6~7ターンが全バンドでバランスが良い
8~12ターンも試したが、巻き数が多いとハイバンドでSWRが高くなる。
【4:1ununバランの作成 No.1~No.4】
▼使用材料
・フェライトコア: FAIR RITE 5943003801(FT240#43相当)
・耐熱ビニル線: AWG18耐熱ビニル線、AWG20耐熱ビニル線
・同軸コネクター
・ケースは100均で購入
▼測定
アンテナアナライザー⇒4:1unun⇒200Ωダミーロード
▼回路図
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4:1unun 回路図 |
< No.1 >
・巻き方: AWG18耐熱ビニル線2本をより線状にする。コア1個にW1JR巻11ターン、これを2直列=計22ターンにしてケースに重ねて収納。
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No.1 4:1unun より線状,WiJR巻,コア2直列 |
・測定(200ΩダミーロードにてSWR測定)
1.8MHz=1.1、3.5~10MHz=1.0、14MHz=1.1、18MHz~28MHz=1.5~3.0、50MHz=∞
・テスト運用(トランシーバー⇒8D-FB⇒ロングワイヤー7.7m長)
7MHz~28MHzンではトランシーバー内臓チューナーでマッチングが取れる。
ローバンドと50MHzは無理でした。
< No.2 > No.1から巻き数を減らす
・巻き方: AWG18耐熱ビニル線2本をより線状にする。コア1個にW1JR巻3ターン、これを2直列=計6ターンにしてケースに重ねて収納。
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No.2 4:1unun より線状,W1JR巻,コア2直列 |
・測定(200ΩダミーロードにてSWR測定)
1.8MHz=1.1、3.5~10MHz=1.0、14MHz=1.1、18MHz~28MHz=1.1~1.2、50MHz=1.5
・テスト運用(トランシーバー⇒8D-FB⇒ロングワイヤー9.1m長)
3.5MHz以外はトランシーバー内臓チューナーでマッチングが取れる。
< No.3 >
・巻き方: やや細いAWG20耐熱ビニル線2本を平衡密着(より線にしない)にして、バイファイラ巻き6ターン。
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No.3 4:1unun AWG20,平衡密着,バイファイラ巻,コア1個 |
・測定(200ΩダミーロードにてSWR測定)
1.8MHz~28MHz=1.0、50MHz=1.1
・テスト運用(トランシーバー⇒8D-FB⇒ロングワイヤー9.1m長)
全バンドにおいてトランシーバー内臓チューナーでマッチングが取れる。
2本の線はより線状より平衡の方がハイバンドでSWR値が低くなる傾向がある。
< No.4 >
・巻き方: AWG18耐熱ビニル線をコア半周にバイファイラ巻3ターンにして、コアを重ねる際に巻いた線どうしが重ならないようにずらしてケースに収納。
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No.4 4:1unun 平衡密着,バイファイラ巻,コア2直列 |
・測定(200ΩダミーロードにてSWR測定)
1.8MHz~28MHz=1.0、50MHz=1.2
・テスト運用(トランシーバー⇒8D-FB⇒ロングワイヤー7.7m長)
1.8~7MHz、18MHZではトランシーバー内臓チューナーでマッチングが取れる。
しかし、他のバンドではパワーを30~50Wに上げるとチューニングが外れる。
原因は回り込みと思われる。エレメント長などの工夫が必要かと思います。
▼No.1~4のすべてでテスト運用
7MHz~28MHzでFT8(出力20W)、CW(出力100W)で運用
国内QSOには充分です。
DXはアジア、USA、南米、ヨーロッパの局とQSOできました。
▼いい感じの4:1ununバランはNo.3
No.3のバランが実運用でもいい結果が出ました。
コア1個は、作成が容易で、配線が短いためSWRがハイバンドまで良く、安定動作をしました。
▼9:1unun/4:1ununどっち?
4:1ununが9:1ununより作成が容易で扱いやすく、ハイバンドでSWR値も良く、飛びには大差ないのでお勧めです。
▼エレメント長やアースを整備して、しっかりコモンモード対策をすればトランシーバー内臓チューナーで多バンドに気軽にQRVすることが可能になると思います。
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